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2018.11.11
無線LANあるある!トラブル
当社には一般エンドユーザをはじめ、システム開発会社様やネットワーク関係の会社様、商社等無線LANに関連するさまざまな通信不良等のトラブルのご相談や調査のご依頼を頂いています。
このコーナーでは実際にあった無線LAN障害の事例を御紹介します!!こちらをご覧になられた方々が同じような不具合に悩まされていましたらトラブル解決への糸口になればと思います。
チャンネルボンディングでスピードは劇的に向上する??
無線LAN通信の高速化技術のひとつにチャンネルボンディングという物があります。
無線LANの通信では1つのCHの幅が20MHzなのですが、このチャンネルを纏める事で高速化を図ります。
チャンネルボンディングの設定項目でHT40やVHT40と表現されいているものは40MHz分のチャンネルを束ねた物です。
さらにHT80やVHT80と表現されているものは4CH分のチャンネルを束ねたもので80MHzの周波数を使用します。
さて、ある時に新規のお客様より無線LANの調子が悪いというお問合せを頂きます。
「最近と言っても少し前ではあるのですが、Wi-Fiの機械を購入して自社に設置しているが、とってもスピードが遅い。多分干渉とかだと思うのですが調査して貰えないだろうか。」
さて平面図等を頂いて実際のサイトサーベイの作業に入らせて頂きました。
オフィス内は合計6台程のAPが天井に置局されていました。無線の通信規格は11acだけを使用し2.4GHz帯は干渉するからという理由で導入当初から使用されていないそうです。接続端末もそれなりに数が存在します。
現地でのサイトサーベイは概ね4時間程で終了しました。作業終了後直ぐに収集データを見ると直ぐに違和感に気付きます。外来波はそれなりにありますが、受信強度も一部強い物がありましたが、それほど多くの外来波が侵入しているわけではありません。
スペクトラム測定器を回してみると使用している周波数帯全域でタイミングによって密度がかなり高くなる状況が確認されました。
外来波も多くなく、でもDutyCycleは時々高い値を示すのはなぜか。
この答えはは直ぐに分かりました。全てのAPのチャンネルボンディング設定がVHT80になっていました。
報告書はデータ分析を行った上で後日正式にご提出しますので現段階ではあくまで推測ですが、と前置きした上で、「恐らく原因はチャンネルボンディングの設定です。全てVHT80の設定になっていて、チャンネルの設定も全て同じCHです」
「出来ればVHT20への設定変更をご検討下さい。どうしてもVHT40で使用したい場合はCHの設定をずらして設定した方が良いと思います。例えばVHT40にする場合、36CHの設定では36CH~40CHの帯域幅を使用しますが、近くのもう1つのAPは同じVHT40でも40CHを設定する」とご案内作業完了後直ぐにご案内する事が出来ました。
「チャンネルボンディングすれば速度は速くなるんではないですか?」との質問も受けましたが、確かにチャンネルボンディングをする事で規格上の速度は速くなります。ただ、この設定のデメリットは同時に使用出来るCH数の選択肢が少なくなってしまう為、干渉が発生しやすくなるという点です。VHT20にする事でCH設定の選択肢があり、外来波のCHも上手く避けて設定をすれば、かえって速度は速くなる事があるとご説明しました。
報告書の提出を待つことなく直ぐに対策を実施され、直ぐに状況は改善が見られたようです。その後に報告書を提出し、弊社からはAP毎の推奨CH等諸々の改善案をご提示しました。CHを再設定する事でさらに改善が見られたようです。
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